慈善試合で競演したスターたち
2005年2月15日(火)文:グレアム・ハンター(カンプ・ノウ)
アジア一帯を襲った津波災害の被災者を支援する目的で行われた慈善試合は、ロナウジーニョ]Tがアンドリー・シェフチェンコ]Tを6-3で下して幕を閉じた。観客を魅了する素晴らしい夜を演出したこの試合には、復興支援へのサッカー界の力強い決意が、その思いにふさわしいパフォーマンスとなって表れていた。
スター選手の競演
身を切るような寒さに襲われたバルセロナの夜、フットボール・フォー・ホープの試合に集まった40,000人のファンは、輝くばかりといった世界クラスのスター軍団が繰り広げるサッカーの競演に酔いしれた。世界の偉大なプレーヤーたちが多忙な合間をぬって駆けつけ、持てる才能を惜しみなく披露し、復興支援へのメッセージを発信したこの夜。試合結果とは無関係に、サッカー界全体にとっても、意義深いものとなった。
過密なスケジュール
サッカー界の年間スケジュールが過密というのは、既に周知の事実。16日に再開を迎えるUEFAカップを皮切りに、来週になるとUEFAチャンピオンズリーグも再びスタートし、決勝トーナメント1回戦の熱戦が始まる。“それ以上に素晴しい何か”を実現するために、多忙なスター選手たちは、この凍てつく2月の夜を選んだ。過密日程の状況を考えると、それも極めて当然のことだったのだろう。
惜しみない協力の姿勢
しかも、選手たちだけでなく、それぞれが所属するクラブも、この試合の実現に向けて惜しみない協力の姿勢を示した。多くのクラブが、専用機をチャーターして選手を試合会場に送り届け、15日の遅くに帰国させる手はずを整えていた。結果を気にすることなく素晴しい試合にしよう。ピッチに現れた選手たちがそう意気込んでいたことは明らかだった。試合が開始されるとすぐ、出場したスターたちの何人かは、純粋にプレーを楽しみ始めた。
思い思いのスタイル
ボールを持った選手を過剰に追い詰めたり、ファウルを犯したりする選手もいなく、全員がカンプ・ノウのピッチ上で自由にプレーした。素晴しい才能を備えた選手たちが、きっと少年時代によく見せていたであろうプレーや、今でも練習場でたまに試してみるような、思い思いのスタイルに立ち返っていた。かくして、見どころの中に本物のお祭り的な要素が加わっていき、観戦した人々までもが、喜びやユーモアを共有していた。
ジダンの妙技
前半の20分間は、ジネディーヌ・ジダンが披露した変幻自在の妙技に、スタジアム全体が釘付けにされた。レアル・マドリーCFの選手としてバルセロナに現れたことから、最初の数分間には、冗談でブーイングを浴びせる観客も見られた。しかし、それもつかの間、ジダンの巧みな足技とボールさばきに、割れんばかりの拍手喝さいが送られる。
ロナウジーニョの十八番
これに対し、チームを統率するFIFA世界年間最優秀選手、ロナウジーニョも自在にボールを操り、同じブラジル代表の意欲的なパートナーと競演。ACミランの司令塔カカと、連係プレーを見せた。さらにロナウジーニョは、十八番のノールックパスを誇示するように繰り返して披露。観客も、それを心ゆくまで楽しんでいた。プレーするロナウジーニョの表情にも、笑みが絶えない。
ゴールの応酬
試合はその後、ゴールの応酬となっていく。バルセロナのFWサミュエル・エトーが、カカにおぜん立てされたシュートチャンスから得点。先制点を決めるには願ってもない形で、最初のゴールを決めた。さらに、デコとカカの巧みな連係から、ロナウジーニョがリードを2点に広げる。ロナウジーニョは、ゴールと別の方向をまたもや大げさに見ながら、枠内にはたき込んでみせた。
立て続けのシュート
対するシェフチェンコ?は、ジダンのふわりとしたパスから、ユベントスFCのFWアレッサンドロ・デル・ピエロが1点を返す。しかし、エトーが再び得点し、前半のうちにロナウジーニョ?がリードを2点に戻した。後半に入ると間もなく、交代出場のジャンフランコ・ゾーラとダビド・スアソが立て続けにゴールを奪い、スコアは3-3に。ピッチの熱いムードが観客にも伝わり、スタンドではウェーブが長々と続いた。
結果よりも重要な意義
その後、ロナウジーニョのアシストから、アンリ・カマラが4-3とする。ちょうど60分を経過した時点で、この試合で最も光る活躍を見せたロナウジーニョが、温かい拍手を受けてピッチを退いた。そしてカマラと韓国代表チャ・ドゥリが、さらに1点ずつを追加した後、試合は終了。しかし、今夜の試合に関しては、やはり誰にとっても、結果など二の次でしかなかった。
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