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最新クラブ・ライセンシング評価レポートが公表

掲載: 2012年1月25日(水), 17.00CET
安定性確保を目的としたファイナンシャル・フェアプレー規則の第1要綱が実施される中、UEFAは欧州クラブサッカーに関するクラブ・ライセンシング評価レポートの第4版を公表した。
最新クラブ・ライセンシング評価レポートが公表
『The European Club Footballing Landscape(欧州クラブサッカー界の展望)』はUEFAファイナンシャル・フェアプレー・メディアデーに発表された ©uefa.com 1998-2012. All rights reserved.
掲載: 2012年1月25日(水), 17.00CET

最新クラブ・ライセンシング評価レポートが公表

安定性確保を目的としたファイナンシャル・フェアプレー規則の第1要綱が実施される中、UEFAは欧州クラブサッカーに関するクラブ・ライセンシング評価レポートの第4版を公表した。

UEFAは、欧州クラブサッカー界に関するクラブ・ライセンシング評価レポートの第4版を公表した。今回のレポートでは、UEFA加盟53サッカー協会のトップリーグに属する約650クラブが調査対象となった。

『The European Club Footballing Landscape (欧州クラブサッカー界の展望)』と題された124ページに及ぶこのレポートは、英語フランス語ドイツ語ロシア語の4カ国語で公表されている。今回は、欧州のクラブサッカーに影響を及ぼしている財務問題の抑制を目的としたUEFAのファイナンシャル・フェアプレー規則導入後という、重要なタイミングでの発表となった。

2010年度のレポートでは、トップリーグの全クラブの90%に相当する665クラブの財務状況を分析。情報の多くは、クラブ・ライセンシング要件の一つとして各クラブが各国サッカー協会に提出した監査済み財務諸表を直接入手して得た。

レポートは、やはり財務問題に主眼を置きつつ、欧州サッカーにかかわるその他のテーマにも触れている。分析対象は各国の2010-11シーズン終了時までの期間。ユース・地元育成選手に関するセクションも含まれている。また、サンプルとしたトップリーグ535クラブの監督のプロフィールに関する分析も行っている。

そのほか、平均観客数とその推移、スタジアムの稼働率、クラブと国の係数の推移、国内リーグ戦の構造、欧州クラブ・ライセンシングの結果なども、レポートに含まれる数々のテーマに入っている。

レポートは多くの図表やQ&A方式を用いてわかりやすくまとめられている。トップリーグの監督の在任期間についての質問を例に挙げると、サンプルとした500強のクラブの分析から、トップリーグ監督の半数以上は就任から1年未満で、平均在任期間は17カ月にすぎないことがわかる。また、UEFAの地元選手育成ルールの影響に関する質問に対しては、UEFAチャンピオンズリーグの試合で、そのクラブで育ったU-21選手の出場が増えたという分析結果が示されている。

レポート後半では、欧州全体、サッカー協会、クラブの各レベルで財務状況の詳細を分析。UEFA主催クラブ大会出場クラブの重要データについても論じられている。そこでは、2010年度は景気低迷期にありながらもサッカー界の収入は増加したという明るいニュースが、まず示された。トップリーグ所属クラブ全体の営業収入は6.6%伸び、過去最高の128億ユーロ(約1兆3000億円)に達した。

欧州主要リーグだけでなく、UEFA加盟53協会中49協会で過去5年の増収率は各国の国内総生産(GDP)伸び率(=経済成長率)を上回った。反面、財務危機の兆候もいくつか明示され、収入が増加した一方で、最終損失は全体で16億4100万ユーロ(約1670億円)と、2009年度から36%膨らんで過去最悪となっている。

ただしこのケースでも、細部ばかりに注目すると足下をすくわれる。財務諸表を注意深く分析すると、根本的な営業損失の増加とは対照的に、2010年の移籍活動が鈍化した結果、移籍により発生する利益が減少したために損失が増えたという結論に至る。総収入に対して被雇用者の給与が占める割合(サッカークラブの重要業績評価指標として一般的に使用されている)は、近年では初めて64%にとどまった。

根本的な状況は2009年と変わらず、多くのクラブが経済的に適正な状態であると報告されているものの、実際には欧州トップクラブの半数が損失を計上した。しかも残念なことに、29%のクラブは収入10ユーロに対して支出12ユーロと持ちだし過剰に陥っており、最も規模の大きいクラブ(収入額5000万ユーロ/約51億円以上)に限っても、損失を報告するクラブの割合は75%に上昇している。

その一方で歓迎すべき報告もある。このレポートを読み解くと、各クラブは過去5年間に計40億ユーロ(約4060億円)の損失を出したにもかかわらず、オーナーやスポンサーから総額34億ユーロ(約3450億円)の資金注入を受けて生き残ったことが分かった。つまり、6億ユーロ(約609億円)以上に及ぶ総資産の減少と、大幅な収入増のタイミングが重なったのである。

各クラブが欧州経済危機の影響を受ける中、1部リーグのビッグクラブ20チームで収支のバランスがとれたのは2チームだけだった。下部リーグのクラブはさらに厳しい状況で、低いカテゴリーに所属するクラブほど財政破綻や破産の危険性が高まっている。つまり今回のレポートにも、各クラブの経営の健全化や、持続可能な収支バランスの維持を徹底させるという目的を達成するために、UEFAクラブ・ライセンシングおよびファイナンシャル・フェアプレー規則を段階的に導入することの正当性が示されている。

さらにレポートには、仮に“ブレーク・イーブン要件”が本日から適用された場合、数クラブがこれを遵守できないことになるとも記された。“中規模の”損失(ファイナンシャル・フェアプレー規則における“許容範囲内”の損失)を補てんするために、22カ国のクラブが資本再編を余儀なくされるという。レポートに掲載された財政シミュレーションではブレーク・イーブン要件適用前の期間がカバーされているが、将来に備え、多くのクラブが今からこれを導入しなければならないことは明らかである。

今回のレポートは、「新たなルールの導入により、多くのクラブが経営の健全化という難題に挑むことになる」と締めくくられている。しかし、欧州サッカー界を統括するUEFAは、我々が直面している問題に組織的な対策を施すことこそ、より公正な大会運営や、安定的かつ規律あるクラブ経営を可能にする唯一の方法だと確信している。

最終更新日: 12年2月1日 15.27CET

http://jp.uefa.com/news/newsid=1744692.html

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