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UEFA会長、サッカーの未来に向け青写真を示す

掲載: 2017年3月9日(木), 8.32CET
UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長が公式刊行物『UEFA.direct』最新号に掲載された独占インタビューのなかで、サッカーに関する最高の思い出を振り返るとともに、UEFAが直面する主要な問題への見解、さらには未来に向けた青写真を示した。
UEFA会長、サッカーの未来に向け青写真を示す
UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長 ©UEFA
掲載: 2017年3月9日(木), 8.32CET

UEFA会長、サッカーの未来に向け青写真を示す

UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長が公式刊行物『UEFA.direct』最新号に掲載された独占インタビューのなかで、サッカーに関する最高の思い出を振り返るとともに、UEFAが直面する主要な問題への見解、さらには未来に向けた青写真を示した。

チェフェリン会長にとって、サッカーにまつわる最初の記憶は何ですか?
1978年のワールドカップ決勝をテレビで見た記憶がある。当時私は10歳で、アルゼンチン対オランダが対戦したこの試合のことは今でもよく覚えているよ。満員のスタジアム、サポーターがピッチに放った紙吹雪、そして何より、マリオ・ケンペスの活躍だね。素晴らしい選手だったよ!

それ以前から、サッカーに興味はお持ちでしたか? どこか応援しているチームはありましたか?
ああ、もちろんずっと興味はあった。特に好きだったのはハイデュク・スプリトだね。当時のユーゴスラビアでは、最も強いチームの1つだった。

スタジアムに足を踏み入れたときには、どのような感情を覚えますか?
私にとってスタジアムは、常に魔法のような体験をくれる場所なんだ。スタジアムのなかでは、しびれるような熱気や興奮を肌で感じることができる。見るもの聞くもの、何もかもが特別だね。

©UEFA

UEFA EUROのトロフィーの脇に立つチェフェリン会長

初めてスタジアムで見たのはどこの試合でしたか?
あの試合は一生忘れないだろう。1980年にリュブリャナで行われたワールドカップ予選、ユーゴスラビアとデンマークの一戦だった。当時のユーゴスラビア代表は最強を誇っていて、私もサフェット・スシッチやズラトコ・ブヨビッチといった選手が大好きでね。本当に素晴らしい選手だったよ。ただ、収容人数以上のチケットが売られていたのか、スタンドは完全に定員オーバーだった。だから、せっかくスタジアムにいるのに、実際のピッチはほとんど見ることができなかったんだ。目の前に背の高い大人がたくさんいて、視界を遮られてしまっていたものだが、あれは忘れられない体験さ!

一番のお気に入りの選手と、その理由を教えてください。
これまでの選手のなかで一番のお気に入りは、なんと言ってもブラジル人のロナウドだね。“フェノーメノ”(怪物)と呼ばれたのも納得だ。そのテクニック、フィジカルの強さ、原石のような生まれながらの才能。驚くべき選手だよ。彼がベストだったと断言できるね。

これまで見たなかで最も美しいゴールはどれでしょうか?
私が見たなかでベストゴールは2つあって、1つはEURO 1988決勝でソ連を相手にオランダのマルコ・ファン・バステンが決めた、目を疑うようなボレーシュート。もう1つは2002年のUEFAチャンピオンズリーグ決勝でジネディーヌ・ジダンが決めたゴールだ。この2つは、あらゆる意味で最も美しいゴールだった。

ファンとして、またスロベニア・サッカー協会の会長として、これまでで最も思い出深いサッカー関係の出来事は何ですか?
それはもちろん、スロベニアが2010年ワールドカップの出場権を手にしたときだね。ホームでロシアを1-0で破り、南アフリカで開催される本大会の切符をつかんだんだ。このプレーオフの一戦では、ズラトコ・デディッチが決勝ゴールを挙げてくれた。最高の日だったよ。

©UEFA

チェフェリン会長は子供のころからサッカーをプレーしてきた

会長はご自身も以前、あるいは今もサッカーをプレーされますか? プレーする際のポジションはどこですか?
私は子どものころからずっと、サッカーをプレーしてきたよ。11人制のチームでは、セントラルMFが定位置だった。今は友人たちとフットサルをすることが多いね。

どのような経緯でスロベニア・サッカー協会に関わるようになったのですか?
実は、なかなか興味深い裏話があるんだよ。2011年に、当時のスロベニア・サッカー協会の会長が退任することになって、私に対して後任にならないかとの打診があった。協会に秩序を取り戻すために、どうしても外部の人間を必要としているという話だったね。その切実な声に押されて、私は会長就任を引き受けた。そのあとは皆さんご存じの通りだ。

それから数年後、アテネでの総会で今度はUEFA会長に選出されます。会長就任が決まったときはどう思われましたか?
今だから正直に言うと、あのUEFA総会の当日は、自分にとって現実味が薄い感じがしたね。総会までの数週間、私は欧州各地を飛び回り、たくさんの人と会う忙しい日々を送っていた。それだけに会長に当選したとわかったときも、すぐには実感がわかなかったんだ。自分が成し遂げたことを自覚するまでには多少時間がかかったよ。 就任初日、ニヨンのUEFA本部のオフィスで過ごしてみてようやく、「ああ、本当に会長になったんだ」と思えたね。

UEFA会長に就任した直後の日々を振り返ってください。加盟各国を訪問してみて、何を感じましたか?
会長に就任したときは、最高の気持ちだったよ。当選が決まった直後から、私は加盟各国のサッカー協会会長や事務局長だけでなく、クラブのディレクターやスポンサー各社など、サッカー関係者との面談に多くの時間を費やした。それは、サッカー界共通の目標を達成し、あらゆる課題を克服するために、我々は団結し、足並みを揃える必要があるからなんだ。それともう1つ、UEFAで働く人たちについても言うと、多くの管理職やスタッフが、このサッカーという素晴らしいスポーツを発展させ、守るために熱心に働いている。その姿を見ていて大変嬉しく思うね。これなら、未来に向けて前向きで素晴らしい仕事ができるはずだと、楽観的に捉えているよ。

スロベニア・サッカー協会の会長を務めた経験は、UEFAでどのように役立っていますか?
スロベニア・サッカー協会で会長を務めたことで、中小国のサッカー協会の仕事について価値ある知見を得ることができた。この経験がUEFA会長選挙でも大いに役立ったね。さらには今も、欧州全土を視野に入れ、UEFA加盟の各国協会についてそれぞれの役割を考慮する際に、スロベニアでの経験が生きている。各国協会の事情を身をもって理解しているという実感があるよ。

UEFAの第7代会長として、最優先事項は何ですか?
私は対話、社会参加、連帯、男女平等という原則を通じてサッカー界を1つにしていきたいと考えている。さらにサッカーという競技そのものを守っていかなければならない。これにはアンチドーピングやクラブライセンス、ファイナンシャル・フェアプレー、安全と保安、公正性と差別反対といった課題が関わってくる。それと同時に透明性と効率性に基づいた、良好なガバナンスを遂行していく必要もある。最終的には持続可能で社会的責任にも考慮したイニシアティブにより、長期的なサッカーへの参画を促し、この競技をさらに発展させていきたいね。

女子サッカー発展の後押しをすることについてどのような考えをお持ちですか?
女子サッカーの発展に尽力している。UEFAに女子サッカーの部署を導入したのもそのためだ。女子サッカーには発展と向上の余地が大いにあると思うよ。UEFA女子チャンピオンズリーグが今よりもさらに注目を集められるよう、改善していく方法も探っているところだ。

草の根サッカーの重要性は?
草の根サッカーはサッカーの健全性にとって極めて重要であり、これまでで最良の草の根プログラムを実施したいと考えている。各加盟協会と密接に連携を取りつつ、短期、中期、長期の戦略を立てて、これから何世代にもわたってサッカーが欧州で最も人気のスポーツとしての地位を保ち続けるようにしていく。これはサッカーを始め、プレーを続ける人を増やすためのグローバルな草の根プログラムを実施してのみ達成可能だ。

©UEFA

UEFA会長はUEFA加盟の55協会と密接に協力していきたいと思っている

各国の協会はサッカー発展の土台です。UEFA加盟55協会とどのように協力していきますか?
55の加盟協会と各協会の現会長と共に、最高幹部プログラムやUEFA委員会の重要性をさらに高めるなどのさまざまな手段を講じながら、意思決定過程に関わっていく。共通の目標の達成は、率直な話し合いを通じてのみ可能だと思っているよ。さまざまな関係者の利害を見極め、より幅広い状況を分析し、加盟協会が共有する機会と強みを探さなければならない。各協会からの情報提供はUEFAにとって極めて重要だ。

サッカーの健全性におけるファンの重要性は?
ファンなくしてサッカーは成り立たない。ファンはサッカーの中心であり、このスポーツを維持していくためには彼らの情熱と興奮が必要だ。サッカーの健全性にとって非常に重要な存在なんだ。何百万人ものファンがUEFA主催大会を大いに気にいっていることを非常に嬉しく思っているよ。

会長はプロのサッカー選手ではありませんでした。元選手がサッカー業務に携わることは重要でしょうか?
元選手の知識をサッカーの運営・管理に生かすことは大切だと思う。彼らが提供可能な新しい視点を、私は尊重しているからね。

UEFAのクラブライセンスおよびファイナンシャル・フェアプレーについては?
ファイナンシャル・フェアプレーは成果を上げている。導入して以来、欧州のサッカークラブの損失は80%以上減少した。ファイナンシャル・フェアプレーはUEFA主催大会への参加を希望するクラブだけに適用されるのではなく、どの大会に参加するにかかわらず、各クラブが収入の範囲内で経営され、存続していくため、国内レベルでも徐々に導入していくことが重要だ。

最後の質問です。UEFAの理事と会長に任期を設けると提案した理由は?
UEFAの会長と理事会のメンバーには任期があるべきだ。一定の期間が経ったら、サッカーの発展を促進する新しい考えを持った新しい人材を入れていく必要があると思う。

最終更新日: 17年3月9日 16.18CET

http://jp.uefa.com/news/newsid=2447463.html#uefa

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