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チェフェリン会長、総会でスピーチ

掲載: 2017年4月5日(水), 10.45CET
ヘルシンキで開催された第41回UEFA通常総会の基調講演で、UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長はサッカーの持つ団結と感動の力を強調。また、サッカーを前進させ、絶えず変わる世界のなかでその基本的価値を守っていくため、UEFAは勇気と信念、情熱を示していくと語った。
文: マーク・チャップリン
チェフェリン会長、総会でスピーチ
UEFA総会で檀上に立つアレクサンデル・チェフェリン会長 ©UEFA.com
掲載: 2017年4月5日(水), 10.45CET

チェフェリン会長、総会でスピーチ

ヘルシンキで開催された第41回UEFA通常総会の基調講演で、UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長はサッカーの持つ団結と感動の力を強調。また、サッカーを前進させ、絶えず変わる世界のなかでその基本的価値を守っていくため、UEFAは勇気と信念、情熱を示していくと語った。

「恐れてはいけない」。UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長は、UEFAと欧州サッカー界を明るく希望の持てる未来へと導くべく、このように呼び掛けた。

5日に開かれた第41回UEFA通常総会の基調講演で、チェフェリン会長は絶えず変わるサッカー界に適応し、なおかつ欧州サッカーを育てるというUEFAの使命を遂行していくため、自身とUEFAは勇気、そして全面的に関与する姿勢を示していくと約束した。

「それがリーダーとして我々の責任だ」。UEFAに加盟する55のサッカー協会の代表者と来賓に対し、チェフェリン会長はこう述べた。「我々の信念や価値感、情熱を示していく勇気を持とう」

「サッカーは美しい。これを一緒に守っていこう。我々が正しいと信じるもののために闘っていこう」

UEFA会長は、過去の決定や伝統を尊重しつつ、UEFAは変化や改革を恐れてはならないと強調した。

「ピッチ上と同様、我々にとって成功するための方法は、効率性、シンプルであること、そしてちょっとした創造性だ。実行を伴わない約束や言葉、スキャンダルはいらない。謙虚さと敬意、プロフェッショナリズムを持って行動しよう」

チェフェリン会長は、今は欧州サッカーの未来を形作るのに適した時期だと語った。「共に欧州サッカーの戦略的ビジョンを育てていこう」と、会長はサッカー協会の代表者たちに語りかけた。「間もなく議論を始め、一緒になって明日のサッカーを形作っていく作業を開始するつもりだ。このビジョンの中核になるのは、皆さんやクラブ、選手、サポーターの考えとプロジェクト、希望と願望だ」

「サッカーの現状を見て『なせ』と問うのではなく、未来像を描いて『こうしていこう』と提案していかなければならない」

UEFAのグッドガバナンス(望ましい統治)改革はそのプロセスの出発点であり、「我々の基盤の総点検」だとUEFA会長は説明した。

「これらの措置が純粋なサッカーファンの懸念から、かけ離れたものであることは認識している。だが、これらの変化は、我々のイメージを刷新し、信用を回復し、合法性を高めていくためには不可欠だ」

サッカー界の各種利害関係者とのUEFAの関係について、チェフェリン会長は欧州のリーグやクラブ、選手を敵視すべきではないと述べた。「(彼らは)我々が敬意を払わなければならないパートナーだ」

閉ざされた欧州リーグという概念に対しては、「我々の価値観や理想に則さない。簡単に言えば、マネーには支配されない」として否定。同時に欧州のクラブやリーグとの対話を継続し、互いの問題に対する共通のソリューションを見つけていくと約束した。

ファイナンシャル・プレーの継続的発展は、欧州サッカーの財務安定化というUEFAの使命を遂行していく上で今後も最も重要な要素であり続けると、UEFA会長は話した。「ファイナンシャル・フェアプレーはクラブの負債を大幅に減らすための極めて効率的な措置となっている」。こう説明した会長は、ファイナンシャル・フェアプレーを単なる緊縮財政とみなすべきではないと付け加えた。

「(ファイナンシャル・フェアプレーは)財務の公正さと安定性を高めるためだけでなく、投資をさらに促進するための支援メカニズムでなければならない」。こう強調したチェフェリン会長によると、今回の措置案はこの線に沿ったものであり、同時に欧州サッカー経済の活性化にも役立つという。

ファイナンシャル・フェアプレーに加え、UEFAは「サッカーを脅かす諸悪のすべて、すなわち暴力、ドーピング、腐敗、八百長行為、倫理・規律上の問題」と先陣を切って闘っていくと宣言。また、UEFAは組織内に『サッカー保護』の部門を新たに設け、体制を強化したとつけ加えた。

今後、特に重点的に取り組む分野について、チェフェリン会長は「ソーシャル・フェアプレーだ」と指摘する。「これは、サッカーをより公正で倫理的なものとしていくために行われる、すべての取り組みのことだ」と説明した。ここには若年選手の保護や、人権や労働者の権利尊重をUEFA主催大会の誘致要件とするといった課題が含まれる。

「ソーシャル・フェアプレーを履行する組織は、人種差別を決して許さない」と、会長は強調した。「性差別や同性愛嫌悪、あるいは障害のある人たちへの差別も同様だ」

チェフェリン会長はさらに、この課題に関しても率先して模範を示すべきだと呼びかけた。「テレビCMや善意による呼びかけといった手段で、多様性や男女の平等、さまざまな境遇の人たちの社会参加に支持を表明しておきながら、我々自身が今や過去のものとなった(差別的な)言葉や行動を許容するようでは意味がない」

加えて、UEFA EURO 2016を始めとする代表チームの大会が多額の収益を挙げた結果として、現サイクルで各国のサッカー協会に100万ユーロ(約1億2000万円)の追加分配金を支給することも発表された。これに関してチェフェリン会長は、今後もこうした各国協会に対する資金提供が継続されるとの見通しを示している。

「(各国協会が)地域のすみずみまでサッカーを普及させるのに苦労しているなか、UEFAの任務は資金を貯め込むことではない。個人主義の傾向がかつてなく高まる今の社会において、団結はUEFAのDNAに刻まれるべき、大切な価値観だ」と、会長は各国協会に対する支援の重要性を説明した。

さらにチェフェリン会長は、サッカーは今後も万人のためのスポーツでなければならないと強調し、そのためにUEFAでは、主催大会のチケット価格を抑制するといった措置をとるとした。

「我々はこれからもサッカーの価値を守っていく。皮肉な目を向け、水を差し、モラルを振りかざす人から、そして敵意を持ち、失望、幻滅、嫌悪する人たちから、サッカーを守るつもりだ」と、チェフェリン会長は改めて決意を述べた。

会長は、サッカーは人々を結びつけるものであり、分断するものであってはならないと語りかけた。「サッカーが人々に夢を与える存在になるようにしていこう。サッカー選手は芸術家だ。世界中の多くの家庭で、暗い環境に光をもたらしている。選手たちは皆を鼓舞し、喜ばせ、苦境を乗り越える力を与えてくれる存在だ」

「ひとことで言えば、選手たちは純粋で激しい感情をかき立ててくれる。問題が多く、複雑で矛盾に満ちた今の世の中では、まずまずの規制が行き届き、クリーンになっているが、同時に大衆迎合主義や恐怖に駆られる傾向もこれまでになく強まっている」と、会長は現状を分析した。

「数千万人の登録選手と、数億人単位のファンを擁するサッカーは、欧州における最大の社会運動でもある。不確実な世界情勢のなか、社会が疑心暗鬼に陥っている今だからこそ、サッカーの代表者である我々には責任がある」

「ここでもう一度強調しておこう。恐れてはいけない。共に手を携え、サポーターやボランティア、若い世代など、毎日、あらゆる場所でサッカーに命を吹き込んでいる人たちを尊敬し、守っていこう。我々が未来に向けたプロジェクトを遂行するのも彼らのためであることを、決して忘れてはならない」と、会長はスピーチを締めくくった。

最終更新日: 17年4月5日 20.13CET

http://jp.uefa.com/news/newsid=2455232.html

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