UCL、第2戦での大逆転劇9選

バルセロナはパリ・サンジェルマンと対戦した2016-17シーズンのラウンド16で、UEFAチャンピオンズリーグ史上最大の逆転劇を起こした。UEFA.comがそのほかの大逆転劇を振り返る。

Sánchez Víctor & Juan Carlos Valerón (RC Deportivo La Coruña) 2004
©AFP/Getty Images

チェルシー 3-1 バルセロナ
バルセロナ 5-1 チェルシー(延長戦でバルセロナが勝利)
1999-2000シーズン、準々決勝
当時のチェルシーはロマン・アブラモビッチ氏がクラブを買収する前で、今日のように欧州の覇権を争うビッグクラブではなかった。ゆえに、ルイス・ファン・ハール監督率いるバルセロナに勝利を収めた第1戦は、当時ジャンルカ・ビアッリ監督が率いていたチームにとっても予想外となる3-1の先勝だった。第2戦でも2ゴールを奪われたあと、83分にトレ・アンドレ・フローがこの対戦で3点目となるゴールを挙げて2-1とし、このまま終われば準決勝に進出するのはチェルシーのはずだった。しかしバルセロナは、ダニ・ガルシアのゴールで2試合合計スコアをタイに持ち込む。そして続く延長戦ではリバウドのPK、パトリック・クライファートのゴールで5-1とし、勝負を決めた。

バルセロナのガブリ・ガルシアは「あの試合は僕の人生でも最高の夜だった」と賞賛。ルイス・フィーゴも「この日の試合運びはまさに完璧だった。大きなリードを許したが、何とか逆転突破にこぎつけた」と、この日の思い出を語った。一方、まさかの逆転負けを喫したチェルシーのビアッリ監督は「我々は引いて守るという、狙いとは違う対応を迫られた」と悔やんでいる。

ACミラン 4-1 デポルティボ・ラ・コルーニャ
デポルティボ・ラ・コルーニャ 4-0 ACミラン
2003-04シーズン、準々決勝
バルサがパリ・サンジェルマン相手に奇跡を起こすまでは、これが大会史上最大の逆転劇だった。サン・シーロでの第1戦ではワルテル・パンディアーニのゴールでデポルティボが先制したが、その後はカカの2ゴールを含む4得点でミランがデポルティボを粉砕、パンディアーニの先制点はすっかり忘れ去られた格好となった。リアソールでの第2戦を控え、当時デポルティボを率いていたハビエル・イルレタ監督は、夢以上の何かを期待し、こう発言していた。「これ(逆転突破)はもちろん、非常に複雑で難しく、大変な難題だ。だがサッカーではしばしば奇跡が起きる。理性では考えられないような出来事が」

07/04/04: Deportivo’s record comeback
ハイライト:デポルティボの大逆転

信じられないことに、第2戦のハーフタイムを迎えたとき、2試合合計スコアでリードしていたのはデポルティボだった。デポルティボはパンディアーニ、フアン・カルロス・バレロン、アルベルト・ルケのゴールで前半だけで3-0とし、さらに後半76分には交代出場のフラン・ゴンサレスのダメ押し点で4-0と完勝。勝ち抜けることができたら、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅に出ると約束をしていたイルレタ監督は第2戦のあと、こう語った。「この勝利には、サンティアゴに出かけるだけの価値がある。約束は約束だ。私はサンティアゴまで歩いて巡礼するつもりだ」

レアル・マドリー 4-2 モナコ
モナコ 3-1 レアル・マドリー
2003-04シーズン、準々決勝
このシーズン、まさかの快進撃で準々決勝に進出したモナコだったが、2004年3月24日、サンチャゴ・ベルナベウでの第1戦で試合終了を告げるホイッスルが吹かれた時点では、そんな魔法もすべて消えたかに見えた。この試合でマドリーは後半に4ゴールと大爆発、小さな公国を本拠とするモナコは崖っぷちに追いつめられた。だが、83分にフェルナンド・モリエンテスが決めたアウェーゴールが頼みの綱となる。当時モナコを率いていたディディエ・デシャン監督は第2戦を前に敗北を認めず、「(敗退を)考えるようなら、家にこもっていた方がまだマシだ」と言い切った。

そして迎えた第2戦、モナコは1点を先制されて前半ロスタイムに突入。デシャン監督はもはや家に帰りたい気持ちだったかもしれないが、モナコはルドビク・ジュリのゴールで前半のうちに追いつくと、マドリーから期限付き移籍中だったモリエンテスが逆転ゴールをマーク、さらにジュリの自身2点目で3-1とし、2試合合計でもアウェーゴール差で逆転。ただし試合終了直前、惜しくもクロスバーを越えたラウール・ゴンサレスの強烈なシュートが決まっていたら、奇跡の逆転劇はかなわなかったかもしれない。モナコの逆転突破に貢献したモリエンテスは、この勝利を喜びかねている様子だった。「もちろん、モナコの勝利はうれしいよ。でもマドリーにもたくさんの友達がいて、彼らが辛い気分を味わっていると思うとね」

John Terry & David Luiz (Chelsea FC)
ナポリを大逆転の末、退けて喜び合うジョン・テリーとダビド・ルイス©Getty Images

ナポリ 3-1 チェルシー
チェルシー 4-1 ナポリ(延長戦でチェルシーが勝利)
2011-12シーズン、ベスト16
このシーズンのチェルシーは、監督交代をきっかけに驚きのV字回復を遂げた。敵地ナポリでの第1戦はアンドレ・ビラス・ボアス監督にとってチェルシーでの欧州カップ戦最後の一戦となる。この試合で、チェルシーはフアン・マタのゴールで先制するも、エセキエル・ラベッシに2得点、その間にエディンソン・カバーニにもゴールを許して1-3と逆転負けを喫し、一転して敗色濃厚となった。それでもビラス・ボアス監督は試合後、「アウェーゴールを挙げたことで、逆転突破の可能性は大いにある」と強気の姿勢を見せる。

しかしその後、ビラス・ボアス監督は解任され、代わってロベルト・ディ・マッテオ暫定監督が第2戦の指揮を執ることに。その第2戦ではディディエ・ドログバ、ジョン・テリーのゴールに続き、フランク・ランパードがPKを沈めて勝負は延長戦に持ち込まれる。さらに105分、ブラニスラブ・イバノビッチがゴールを決めて奇跡の逆転劇を締めくくった。ディ・マッテオ暫定監督は、「これまでも素晴らしい試合を何度も経験してきたが、この勝利はクラブの歴史に残るだろう」と発言。しかし、このシーズンの決勝でさらに劇的な逆転勝利が待ち受けているとは、このときのディ・マッテオ暫定監督は知るよしもなかった。チェルシーはその後、決勝でバイエルンを破って優勝を果たしている。

Lionel Messi (FC Barcelona)
メッシがバルセロナの逆転勝ち抜けの口火を切った©Getty Images

ACミラン 2-0 バルセロナ
バルセロナ 4-0 ACミラン
2012-13シーズン、ベスト16
第1戦を0-2で落としたのち、アウェーゴール差以外で勝ち抜けたチームは過去にいなかったが、バルセロナはカンプ・ノウの大声援に後押しされ、その不利なデータをはね返した。リオネル・メッシが前半に奪った鮮やかな2ゴールでミランのリードを帳消しにすると、後半の序盤にダビド・ビジャが追加点を挙げて、2試合合計で逆転に成功する。

ホームのバルセロナは、1-0だったときに浴びたムバエ・ニアングのシュートがポストに当たるなど、運にも助けられた面も。その後も後半ロスタイムにジョルディ・アルバが前線に駆け上がって4点目を奪うまで、安堵することはできなかった。失意に沈んだミランのマッシミリアーノ・アッレグリ監督は、バルサが「驚くほど見事な戦い」を見せたことを認めた。一方メッシは、「こういう戦いを僕ら自身もファンも毎試合求めている」とUEFA.comに語っている。

United super subs floor Bayern with latest of comebacks
1999年:大会史上最高の復活劇

オリンピアコス 2-0 マンチェスター・ユナイテッド
マンチェスター・ユナイテッド 3-0 オリンピアコス
2013-14シーズン、ラウンド16
アレックス・ファーガソン元監督の精神は、まだオールド・トラフォードに残っていた! 開幕前の夏にこの偉大なるスコットランド人指揮官が去ったことにより、赤のマンチェスターでは一時代が終わりを告げた。しかしその不屈の精神は健在だった。アレクサンデル・ドミンゲスの素早いフィニッシュとジョエル・キャンベルの見事な一撃で第1戦を制したオリンピアコスが15年ぶりの準々決勝進出まであと一歩としたものの、その夢は無残にも打ち砕かれる。

第2戦でユナイテッドを救ったのはロビン・ファン・ペルシだった。このオランダ人ストライカーはPKで均衡を破ると、ハーフタイム直前に2点目を追加。さらに後半の序盤、FKで3点目を挙げ、UCLで自身初のハットトリックを達成する。この日はユナイテッドにとって歴史的な日でもあった。ユナイテッドが欧州の舞台で最後に同様の点差をひっくり返したのも30年前の同じ週。FCバルセロナとのUEFAカップウィナーズカップでのことだった。

Demba Ba (Chelsea FC)
バの一撃でチェルシーが辛うじて競り勝つ©Getty Images

パリ・サンジェルマン 3-1 チェルシーFC
チェルシーFC 2-0 パリ・サンジェルマン
2013-14シーズン、準々決勝
逆転劇の主役となったのは、またしてもチェルシーだった! 昨季、ジョゼ・モウリーニョ監督率いるチームは第1戦、後半にダビド・ルイスがオウンゴールを献上。さらにロスタイム3分にハビエル・パストーレにとどめの一撃を許し、1-3とリードされてパリをあとにした。しかし、この試合の前半にエデン・アザールがPKで奪ったアウェーゴールが、第2戦での逆転劇で大きな意味を持つことになる。

第1戦から6日後の第2戦では、交代出場したアンドレ・シュールレが32分に先制点をマーク。さらに試合終了3分前、同じく途中出場のデンバ・バがチーム2点目を決め、歓喜を爆発させる。これでチェルシーは2試合合計スコアを同点とし、アウェーゴール差で勝ち抜けた。「我々は今日、すべてを懸けて戦った」と、モウリーニョ監督は胸を張った。「仮にあの2点目が生まれていなかったとしても、我々は選手たちを誇りに思っていたはずだ」

2015 highlights: Bayern hit Porto for six
バイエルンがポルトから6得点

FCポルト 3-1 FCバイエルン・ミュンヘン
FCバイエルン・ミュンヘン 6-1 FCポルト
2014-15シーズン、準々決勝
ポルトは優勝した2003-04シーズンを最後に4強に入れていなかったが、第1戦の開始10分までにリカルド・クアレスマが2ゴールを奪い、久々の準決勝進出に向けて最高のスタートを切った。バイエルンもチアゴ・アルカンタラのゴールで30分までに1点を返したものの、後半にジャクソン・マルティネスが得点し、ポルトは再び2点差としてドイツへ乗り込んだ。

しかしホームで迎えた第2戦、バイエルンはチアゴ、さらにジェローム・ボアテングがネットを揺らし、前半半ばまでに2試合合計スコアを3-3とする。さらにロベルト・レバンドフスキが2点を決め、その間にも選手に当たったトーマス・ミュラーのシュートが向きを変えてゴール。ポルトもジャクソン・マルティネスが1点を返したが、終盤にはシャビ・アロンソがバイエルンの6点目を挙げた。

Highlights: Watch Cristiano Ronaldo's hat-trick
ロナウドがボルフスブルクを沈める

ボルフスブルク 2-0 レアル・マドリー
レアル・マドリー 3-0 ボルフスブルク
2015-16シーズン準々決勝
ベスト8に入ったことがなかったボルフスブルクが、どのクラブよりも多く準々決勝で戦った経験を持つチームを相手に2点を先行。第1戦の前半、リカルド・ロドリゲスとマクシミリアン・アーノルトがネットを揺らした。だが、勝負はまだまったくわからないという見解で両監督とも一致。「それが(決勝トーナメントの)一番いいところ。悪い夜になることもあるが、まだリターンマッチが残されている」とマドリーのジネディーヌ・ジダン監督は語った。

一方、ボルフスブルクのディーター・ヘッキング監督はこう警戒していた。「マドリーでの試合がどうなるかは、よくわかっている」。だが、その覚悟はむなしかった。クリスチアーノ・ロナウドが86秒間で2ゴールを奪い、17分の時点で2試合合計スコアは2-2に。さらに、ロナウドは77分にFKを直接決め、ハットトリックを完成させる。そしてマドリーに欧州カップ戦での最高の思い出を新たにもたらしたあと、次のように語った。「ゴールは僕のDNAに刻み込まれている。完璧な、魔法のような夜になったよ」