セビージャ加入のヨベティッチが愛される理由

心優しき現代のレジェンド、ステバン・ヨベティッチは母国モンテネグロで広く愛されている。ファンも仲間の選手たちも、セビージャへの期限付きが同選手に成功をもたらすことを願っている。

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インテル・ミラノのFWステバン・ヨベティッチが期限付きでセビージャに移籍。母国モンテネグロのサッカーファンは、この27歳の“ゴールデンボーイ”が新天地で活躍できることを願っており、モンテネグロ代表のリュビサ・トゥンバコビッチ監督も、正しい選択をしたと確信している。

「ステバンはビッグクラブに移る。野心家で勤勉な名監督が率いる偉大なクラブであり、チームは見事な攻撃的サッカーをしている」とトゥンバコビッチ監督は話した。「ヨベティッチは新しい環境に挑むことになるが、彼には合っていると思う」

代表で44キャップを記録しているヨベティッチ自身も選択に間違いはなかったと感じており、「ホルヘ・サンパオリ監督という名将が率いる素晴らしいクラブ」に行くことになると話した。このニュースには、生まれ故郷のサポーターたちも喜んでいることだろう。

セビージャ入団発表でのヨベティッチ
セビージャ入団発表でのヨベティッチ©AFP

モンテネグロでは、デヤン・サビチェビッチ、プレドラグ・ミヤトビッチ、ミルコ・ブチニッチと並んで同国サッカー界の四天王と見られているヨベティッチ。2015年に苦境に陥っていたある若きストライカーを手助けしたことで、その評判はさらに高まった。

ブドゥチノスト・ポドゴリツァのミリボエ・ライチェビッチ(22)は8月に十字靭帯断裂の重傷を負ったが、クラブは十分な治療を施すことができずにいた。するとヨベティッチが、同選手とは面識がない上、ブドゥチノストの元選手でもないにもかかわらず、突然手を差し伸べたのだ。

「彼は(2010年に)自分が同じケガを負ったときに世話になった医師を僕に紹介してくれた」とライチェビッチはのちに明かした。「ヨベティッチは検査費用をすべて負担してくれただけでなく、手術代も出してくれたんだ」

「僕はただただお礼を言うことしかできなかったけど、次のシーズンに復活してステバンのためにゴールを決めると約束した」。ライチェビッチは約束通り、今季ここまで8ゴールを記録。一方のヨベティッチは、インテルでセリエAの5試合に途中出場することしかできず、ゴールは1点も決めていない。

欧州予選でゴールを決めたヨベティッチ
欧州予選でゴールを決めたヨベティッチ©AFP/Getty Images

14歳で地元のムラドストからベオグラードのパルチザンに入ったヨベティッチは、2008年に名門フィオレンティーナに移籍。2013年にはマンチェスター・シティーに活躍の場を移したものの、トップチームでの出場機会は減り、インテルでの2シーズンでも状況は変わらなかった。

「イングランドに行ってからはケガに悩まされ、コンスタントにプレーできなくなってしまった」と話したヨベティッチだが、代表では2018年FIFAワールドカップ欧州予選での3ゴールを含め、同国歴代最多の19ゴールを記録している。「インテルでは最初の半年はうまくいっていたけど、その後は出場機会がどんどん減っていった。ここセビージャで復活してみせるよ。チャンピオンズリーグで勝ち進み、リーガでは上位3チームか4チームに入れるよう、皆でベストを尽くしたい」

セビージャでプレーするモンテネグロの選手は、ゼリコ・ペトロビッチ(1991-92年)、デヤン・ブキチェビッチ(1997-99年)、そして1999年にクラブの1部昇格に貢献したイゴール・グルシュチェビッチに続き、ヨベティッチが4人目。先輩たちよりも大きなインパクトを残すことがヨベティッチの目標となる。

「ヨベティッチはインテルで不遇の時間を送っていたときも、代表では立派にプロ精神を貫き、真のリーダーとして振る舞った」とトゥンバコビッチ監督は言う。「これからもっといい選手になると確信しているよ。セビージャでの彼の将来は明るいと私は見ている。クラブが彼を欲しがり、彼も加入したいという強い気持ちを示した。それだけで土台は整ったと言っていいだろう」

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