バルサ相手に自分たちの価値を示したパリ

パリ・サンジェルマンとバルセロナのマッチレポートを担当したUEFA.comのクリス・バーク記者は、4-0というパリの見事な勝利が、チームの選手たちに、自分たちがUEFAチャンピオンズリーグで快挙を達成する力を持っていることを証明する形になったと話した。

Paris
©Getty Images

先日、バルセロナの攻略法を聞かれたチアゴ・シウバは、「集中力を切らさず、彼らからボールを奪い、あとは祈ること」と控えめに答えていた。しかしふたを開けてみれば、神の力など借りる必要はなかった。主将シウバも欠いて挑んだパリ・サンジェルマンだが、本拠地パルク・デ・プランスでカタルーニャの強豪を一蹴してみせたのだ。

13日に届いたシウバの負傷欠場のニュースは、パリにさらなる打撃を与えた。代わってCBを務めることになったのが、UEFAチャンピオンズリーグ初出場となるプレスネル・キンペンベだったため、なおさらだった。

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パリは昨年夏にチームを去ったズラタン・イブラヒモビッチの穴をまだ完全には埋めることができておらず、国内戦で何年かぶりに苦戦。バルサとの対戦が決まった5日後にも、ウナイ・エメリ監督率いるチームは、ギャンガンにアウェーで1-2と競り負けていた。

この時点ではラウンド16に向けて悲壮感しか漂っていなかった。エメリ監督がパリを率いる日もあとわずかだろうと見る向きも多かった。しかしそれ以降、チームは12試合で11勝をマーク。バルセロナを4-0で下した14日の第1戦は、エメリ監督、そしてチームにとって最高の試合になった。

選手ですらこのような結果は予想していなかっただろう。トーマス・ムニエルは「唖然としてしまった」ことを試合後に認めている。しかし、エメリ監督とスタッフたちがその下地をつくったことは確かだ。このスペイン人監督は何時間もかけてビデオを研究することで知られており、バルセロナについても対戦が決まって以降、分析担当のビクトル・マニャス、アドリエン・タラスコンの両氏と共に細かくチェックしてきた。

Julian Draxler (Paris)
ドラクスラーがパリ加入後5点目をマーク©AFP/Getty Images

その成果は、休むことなくプレッシングを続け、バルセロナのパス供給ラインを寸断するパリのプレーに現れていた。SBに攻撃意識の高いムニエルとライバン・クルザバを起用したエメリ監督の勇気ある決断も、この下調べがあってのものだ。

このワイドに展開する2人が中盤に加わることで、ブレズ・マトゥイディもしくはマルコ・ベラッティがバルセロナのライン間を動けるようになった。パリはバルサを手の届くところに押し込み、シウバ不在の影響を減らしただけでなく(キンペンベのプレーも素晴らしかった)、攻撃の脅威をピッチのあらゆるところに分散させたのだ。

「エメリ監督はバルセロナを完璧に理解している」とベラッティは試合後に話した。「すべては準備されていたプレーだった」。当然ながら、ベラッティのような主力選手がチームにいたことも大きい。ふくらはぎの負傷で戦列を離れていたイタリア代表のMFはまさに完璧なタイミングで復帰を果たした。同様に出場停止のチアゴ・モッタに代わって出場したアドリアン・ラビオも存在感をアピールした。

1月に獲得したユリアン・ドラクスラーも、チームのインスピレーションを高めている。ドイツ代表のFWは今回も際立ったパフォーマンスを披露。パリに来てからの得点数を9試合出場で5とし、アンヘル・ディ・マリアが欲しかった結果を出すことにも貢献した。

そう、シーズンの前半戦のディ・マリアはベストからは程遠く、当初は新戦力のドラクスラーにポジションを譲っていた。しかしその試練を見事に乗り越え、14日の試合でも2ゴールを挙げたことにより、直近の5試合で5ゴールとなった。

すべてが完璧に機能したため、今回は得点力をエディンソン・カバーニだけに頼らなくでも済んだ。ただカバーニも何もしなかったわけではなく、今季パリでの34ゴール目を挙げ、ディ・マリアと共に誕生日を自ら祝った。

パリのプレーはすべてがとてもスリリングだった。しかしそのパフォーマンスに鼓舞されるのは、ピッチに立っていた彼ら自身だろう。選手たちは快挙を達成する力を自分たちが持っていることを証明してみせた。「夢は大きく」というクラブの壮大なモットーが見当外れには思えなかったのも久しぶりのことだ。第2戦で神に祈らなければならなくなったのはバルセロナのほうなのだから。