岡崎のレスター、勝因は攻めの姿勢

「僕らは正直、1つしか戦い方を知らない。それは前がかりに攻めることだ」。第1戦で負った1-2のビハインドを覆し、セビージャを退けて8強進出を決めたレスターの主将ウェズ・モーガンは、試合後にそう話した。

©AFP/Getty Images

14日にレスター・シティーに逆転突破を許すまで、UEFAヨーロッパリーグの2試合制の勝負で14回連続勝ち抜けていたセビージャ。一方のレスターは、欧州の大会で1度しか2試合合計で競り勝ったことがなく、しかもそれは56年も前のことだった。

しかし今回、UEFAチャンピオンズリーグで準々決勝進出を果たしたのは、昨季プレミアリーグでクラブ史上初の優勝を成し遂げ、最近になってようやくその勢いを取り戻したレスターだった。

主将のウェズ・モーガンによれば、レスターは自分たちの得意な戦い方で第1戦での1-2のビハインドを覆したという。「僕らは正直、1つしか戦い方を知らない。それは前がかりに攻めることだ。前向きな気持ちを失わず、バトルに勝ち、タックルを成功させ、なんとか得点チャンスをつくり出す。今回もうちはそれをやった。そうしたら相手が少し驚いて、試合が僕らのいいように運んでくれたというわけさ」。立ち上がりから勢いよく攻勢に出て、先制点を奪ったモーガンはそう説明した。

岡崎も体を張って守備に貢献
岡崎も体を張って守備に貢献©Getty Images

クレイグ・シェイクスピア監督下で復調を遂げたレスターについては、多くのことが語られてきた。チーム内の連係に変化があったことは明らかであり、プレースタイルも昨季のレベルに戻っている。レスターはキックオフ直後から、アウェーのセビージャを切り割き、アグレッシブにプレー。その姿はまさに試合前、スタンドに掲げられた巨大バナーにシェイクスピア監督と共に描かれていた歯をむき出しにした犬のようだった。

ジェイミー・バーディーは活発なヨークシャーテリアのごとく前線から休むことなくプレスをかけ続け、それを岡崎慎司がサポート。この2人だけではない。レスターのほかの選手たちも犬のように相手選手をつけ回し、セビージャはイライラを募らせたサミル・ナスリとビトロがイエローカードをもらってしまった。

レスターのプレー強度はセビージャを圧倒。準備期間が9日間あったことに加え、ホームの観客たちが大声援で後押ししてくれたことで、その勢いを維持することができた。「僕らは温暖な気候のなかで練習ができた。そのことに助けられたのは間違いないよ。フレッシュな気持ちで戦えたからね」とモーガンは話した。

ハイライト映像:レスターはセビージャを退け、UCLでの夢を次につなげた
ハイライト映像:レスターはセビージャを退け、UCLでの夢を次につなげた

GKカスペア・シュマイケルによれば、シェイクスピア監督は、クラウディオ・ラニエリ前監督が去って初めての試合でリバプールに3-1を競り勝ったときの戦いを再現するようチームに求めたという。

「昨シーズンの僕らに戻った」とレスターの守護神は言う。「リバプール戦と同じように試合をスタートできれば、突破の可能性は十分にあると話していたんだ。だから好スタートを切り、それを足掛かりにすることを目指した」

序盤のナスリの一撃を止めてそのチーム目標を手助けしたシュマイケルは、第1戦に続き、またしてもPKをセーブ。今後は残り10分、スティーブン・エンゾンジが蹴ったボールを阻止した。「自分にチャンスが巡ってくると嬉しい」とシュマイケルは言う。「予感はあったよ。そして的中した」

UCLで野望抱くチームにとって、このようなGKがいることは重要な要素だろう。試合後、ドレッシングルーム近くで話をしていたシュマイケルの父ペーター・シュマイケル氏とかつて同じく欧州チャンピオンズカップを制した元GKピーター・シルトン氏の姿を見て、その思いは高まった。

シルトン氏はノッティンガム・フォレスト時代、イースト・ミッドランズのクラブで唯一となる欧州チャンピオンズカップ優勝を経験。この快挙に並ぶにはまだ長い道のりが残されているレスターだが、ブライアン・クラフ監督に率いられていたノッティンガム・フォレストと同様、奇跡を信じるチームであることは確かだ。

チームの2点目を挙げたマーク・オルブライトンも言う。「僕らのゲームマネージメントは素晴らしかった。意志の強さもハードワークも際立っていたけど、一番は信じる気持ちだ。うちには過ぎた目標だと思っていた人もたくさんいたはずさ。でも僕らは必要な結果を出して勝ち抜けられると信じていたよ」