敗退にも胸を張るレスター

「ほかのチームだったら、先にゴールを決められて意気消沈していただろう」。レスターの躍進を準々決勝で終わらせたアトレティコのディエゴ・ゴディンは試合後にそう語った。UEFA.comのサイモン・ハート記者がフォクシーズ(レスターの愛称)の冒険を祝福する。

©AFP/Getty Images

レスターの主将ウェズ・モーガンは、「自分たちは胸を張って大会を去る」と語った。正しい敗戦の仕方があるとしたら、彼のチームはそれを18日の夜に示したと言えよう。

アトレティコとの準々決勝第2戦では試合半ばまでに2試合合計2-0のビハインドとなり、ホームチームはそのまま敗退に追い込まれるかと思われた。しかしフォクシーズ(レスターの愛称)はピッチ上で全力を出し切らずに、試合前の闘志を燃やし尽くさずに、中途半端で終わるチームではない。後半から猛反撃に転じてアトレティコを苦しめると、初出場ながらも強烈な印象を残したUEFAチャンピオンズリーグでの戦いが最後の瞬間を迎えるまで、逆転の望みを抱かせた。

シメオネ監督率いるチームを苦しめた戦術
アトレティコDF陣が瀬戸際で何度もシュートをブロックしていなかったら、レスターはジェイミー・バーディーのゴール以外にも得点を挙げ、逆転突破に成功していたかもしれない。ハーフタイムにSBのベン・チルウェルと共に投入された長身FWレオナルド・ウジョアは、3-4-3へのシステム変更を次のように説明した。「1点ビハインドだったので、(クレイグ・シェイクスピア監督の)狙いはセカンドボールを拾うことだった。相手のペナルティーエリアに近づけるようにね」。このアルゼンチン人選手に続き、MFマーク・オルブライトンは次のように語る。「もっと攻撃的になって、長身選手にボールを集めようとした。それはうまくできたけれど、逆転に必要だった3ゴールを奪うことはできなかった」

冒険の旅の終了
「ここで冒険が終わるのは悲しい」とオルブライトンは付け加えた。レスターにとっては、まさに壮大な冒険と言うべき旅路だった。その出発点は、オルブライトンが欧州カップ戦で初ゴールを決めた9月14日のブリュージュだけではない。イングランド3部リーグから昇格した、8年前の4月18日にスタートした旅でもある。昨季のプレミアリーグを制したこのチームは、今季のUCLで新たな思い出を刻んだ。グループGを首位で突破すると、ラウンド16ではセビージャに勝利。セビージャ戦ではカスペア・シュマイケルがPKを止めるなど好セーブを連発し、ピッチの反対側ではバーディーが相手DF陣の脅威となり続けた。

誇りと称賛
試合後、アトレティコのユニフォームを手にミックスゾーンで立ち止まったMFダニー・ドリンクウォーターは、「自分たちのパフォーマンスや、この大会でここまで勝ち進んだことを誇りに思う」と語った。「最高だったね。5年前とは大違いだ。この冒険は特別な旅だった。これを味わったことによって、チームには新たな飢えが生まれている。チャンピオンズリーグに戻ってこられるよう、来シーズンは巻き返したい」

ディエゴ・ゴディンがレスターへの賛辞を惜しまなかったように、それをあり得ないと論じるのは早急だ。試合後にレスターの選手たちと握手を交わし、敵地の大観衆に拍手を送ったディエゴ・シメオネ監督と同様、ゴディンもフォクシーズの闘志を称えた。「ほかのチームだったら、先にゴールを決められて意気消沈していただろう。でも後半のレスターは前半とはまったく違っていた。強い信念を見せ、最後の瞬間まで諦めなかったよ」。確かにその通りだった。