
FCインテル・ミラノのジョゼ・モウリーニョ監督は試合前、スタンフォード・ブリッジは彼にとって相性のいいスタジアムだと話していたが、その言葉は正しかった。インテルはそのスタンフォード・ブリッジでも指揮官の古巣チェルシーを下し、4季ぶりとなるUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝進出を決めた。
イタリア王者は終盤のサミュエル・エトーのゴールで第1戦のリードを広げ、チェルシーFCに2006年2月以来となる21試合ぶりのホーム初黒星をつけた。実は、チェルシーが前回黒星を喫した試合でも、エトーは決勝点を奪っている。それはFCバルセロナが2-1と勝利を収めた試合で、その時、チェルシーのベンチにはモウリーニョ監督が座っていた。
後半に何度も決定機を逃したインテルに勝利を許したチェルシーは、終了3分前にチアゴ・モッタと争ったディディエ・ドログバが退場を命じられるなど後味の悪さを残した。
スタンフォード・ブリッジのファンは試合前、名前を合唱するなどして、かつての指揮官を温かく迎えたが、それもキックオフまで。いったん試合が始まると、ピッチ上では激しいタックルの応酬など、勝負に徹した戦いが繰り広げられた。
モウリーニョ監督は、チェルシーの左サイドのユーリ・ジルコフとフローラン・マルダを明らかに警戒していたようで、エトーを実質上、中盤右サイドに配置した。すると、この日最初のチャンスは、そのサイドが起点になった。マイコンが右サイドを駆け上がり、シュートを放ったが、チェルシー・ゴールを守った第3GKロス・ターンブルを脅かすには至らなかった。
試合は再三のFKで流れが途切れがちになったが、インテルはそのセットプレーの一つから決定的なチャンスをつくる。ベスレイ・スナイデルのFKは、押し込むだけで1点という場面だったが、ディエゴ・ミリートはうまく合わせられなかった。チェルシーも、ミリートがボールをこぼしたところを、ミヒャエル・バラックがフィニッシュに持ち込んだが、シュートはゴール上に外れた。
インテルの守備がほころんだのは、この場面くらい。その後は、マイコンが見事なブロックでドログバを封じるなど、体を張った守りでゴールを死守した。一方、チェルシーの守備にもミスが出る。マイコンのクロスに対してジョン・テリーが目測を誤り、インテルにチャンスを献上しかけたが、エトーの反応がやや遅れ、ヘディングシュートはうまくヒットしなかった。前半の終盤はチェルシーが猛攻を仕掛けたが、インテルはルシオを軸に必死にしのぐ。ドログバの鋭いパスからニコラ・アネルカに訪れた絶好のチャンスも、GKジュリオ・セザールが弾いたところをチアゴ・モッタがクリアし、事なきを得た。
後半に入ると、立て続けに警告が出され、インテルはモッタとワルテル・サミュエルが累積で準々決勝第1戦に出場停止となることが確定した。その後、後半最初のチャンスがエトーに訪れる。このカメルーン代表FWは、スナイデルが出したピッチを斜めに横切るパスに追いついたが、シュートタイミングを逃し、チャンスをつぶしてしまった。
チェルシーでは存在感を増していったマルダが、豪快なシュートを放つが、これはGKジュリオ・セザールが鋭い反応でセーブ。一方、チェルシー・ゴール前では、スナイデルがゴラン・パンデフに決定機をお膳立てしたが、シュートが遅れ、ジルコフの懸命なブロックに遭った。
その後、ミリートが2度チャンスを逃し、モッタもヘディングシュートを外したインテルだが、ようやく78分にエトーが格の違いを見せつける。スナイデルのパスに走りこむと、ブラニスラフ・イバノビッチの逆をついてシュート。GKターンブルの右を破り、インテルを2005-06シーズン以来となる準々決勝に導いた。
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