値千金のゴールで記録を破ったプリシッチ

ボルシア・ドルトムントのアメリカ代表クリスティアン・プリシッチは、まさに完璧なタイミングでUEFAチャンピオンズリーグ初得点を記録した。ドルトムントはこの18歳のゴールにより、ベンフィカとのラウンド16の2試合合計スコアで逆転に成功したのだ。

Christian Pulišić (Dortmund)
©Getty Images

UEFAチャンピオンズリーグでの初ゴールは、どんな選手にとっても特別なものだ。しかしそれが決勝トーナメントの第2戦、かの有名な“黄色の壁”の前で決めた、2試合合計でのスコアをひっくり返す1点なら、喜びも格別だろう。

ボルシア・ドルトムントのクリスティアン・プリシッチは8日夜、まさにそれをやってのけた。しかも決して簡単なゴールではなかった。ウカシュ・ピシュチェクからのパスをペナルティーエリア内で受けたプリシッチは、素早く飛び出してきたGKエデルソンにも怯まず、冷静にボールを浮かせてその頭上を抜いた。

「ものすごく嬉しいよ。重要性の高い1点だったし、僕にとってはチャンピオンズリーグでの初ゴールだからね」とプリシッチは試合後に話した。UCL決勝トーナメントでゴールを記録したアメリカ人選手は、ジャーメイン・ジョーンズ、ダマーカス・ビーズリーに続いて史上3人目となる。

負傷欠場のマルコ・ロイスに代わって先発したプリシッチは、初ゴールを奪う直前にもチャンスを迎えていた。これはピエール=エメリク・オーバメヤングがプリシッチにパスを出していれば、と思うようなシーンだったが、そんな雑念はすぐに消え去る。プリシッチとオーバメヤングが立て続けにゴールを奪い、ドルトムントは60分を回ったところでラウンド16突破をほぼ確実にした。

Highlights: Aubameyang hat-trick sends Dortmund through
ハイライト:ドルトムント 4-0 ベンフィカ

「ピエール=エメリクが今夜、またゴールを決めたことには別に驚かないよ。ものすごく練習していたからね」。プリシッチはハットトリックを達成したヒーローを称えた。最終的には2試合合計4-1で勝ち抜けたものの、ベンフィカとの第2戦は決して楽な戦いではなく、前半のドルトムントはプリシッチを含めて全員が苦戦していた。

「我々はこのことに驚かないようにしなければならない。毎回、彼が相手を蹴散らしてくれるわけではないからね」とトーマス・トゥヘル監督は話した。「プリシッチは自らの力で流れを引き寄せた。そこが抜きんでているところだ。自信に満ちあふれていて本当に頼りになる。緊迫した状況になるといつもそのポテンシャルを裏切らないプレーを見せ、ボールを奪い返してくれるんだ」

約3年前にトルコで行われたユースの大会でドルトムントの目に留まったプリシッチは、これでUCLにおけるドルトムントの歴代最年少スコアラーとなった。ただ、ペンシルベニア州のハーシーで生まれた神童が記録を破るのは、今回が初めてではない。ブンデスリーガでは外国人選手の最年少スコアラーであり、1試合2ゴールを決めた歴代最年少選手という記録も持っている。

Christian Pulišić (Dortmund)
スコアを2-0としたプリシッチが仲間に囲まれる©Getty Images

「彼は世界レベルの選手になれる力を持っている、真のワンダーボーイだ」。ドルトムントのレジェンドで、1997年のUCL優勝メンバーの1人であるステファヌ・シャプイザ氏は、ドイツのテレビ局に対し、そうコメントした。ラウール・ゴンサレス氏も次のように話している。「彼は私のお気に入りだ。あのプレーがいいね。とにかく試合に出続ければ大化けできる選手だ」

天才少年はここまでサッカーだけに集中してきた。ピッチ外でマスコミを騒がせることもなく、ひたすらサッカーに打ち込んでいる。「彼は今後もハードに守り、ドリブルを成功させ続けるだろう」とトゥヘル監督も強調する。そのことに疑問を抱く者はいないはずだ。

アメリカ人選手のUCL得点ランキング
4ゴール:ダマーカス・ビーズリー
2ゴール:ファビアン・ジョンソン
2ゴール:ジャーメイン・ジョーンズ
1ゴール:クリスティアン・プリシッチ
1ゴール:モーリス・エドゥ
1ゴール:ジョバン・キロフスキ
1ゴール:サシャ・クリエスタン