本物の強さを備えたシメオネ監督のアトレティコ

18日のUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝第2戦を終え、「就任初日の私の願いは、アトレティコの競争力を高め、どんな相手でも苦しめられるチームにすることだけだった」と語ったディエゴ・シメオネ監督。そのミッションはすでにクリアされていると、リチャード・マーティン記者は分析する。

©AFP/Getty Images

「我々が予想した通り、最後まであきらめずに戦うチームとの純粋なサッカーの夜だった」。伏兵レスター・シティーを僅差で退けたアトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督は、UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝第2戦を終えてこのように語った。

アトレティコはレスターの猛攻を耐えしのぎ、ここ4シーズンのUCLで3度目の準決勝進出を果たした。その戦いぶりを的確に表現する言葉といえば、このチームのミドルネームとも言うべき「苦しみ」だろう。

守備陣への絶対的な信頼
シメオネ監督率いるアトレティコは、常に闘争心をむき出しにして戦うチームだ。だが、おかしなことにジェイミー・バーディーに第2戦の同点ゴールを許し、逆転突破へ希望を見出したレスターの猛反撃を許した最後の30分間は、自陣深くで守らざるを得ない状況を快適に感じているかのようだった。

フアンフランとフィリペ・ルイスが負傷交代を余儀なくされると、合わせて4人のCBを同時に起用。クレイグ・シェイクスピア監督率いるレスターの打つ手にしっかりと備える一方で、守備陣への絶対的な信頼が揺らぐことはなかった。

試合ハイライト:レスター 1-1 アトレティコ
試合ハイライト:レスター 1-1 アトレティコ

路上封鎖
試合を通じて6本のシュートにとどまったアトレティコに対し、レスターは22本を計上。そのうち18本は後半に記録されたものだったが、ロヒブランコス(アトレティコの愛称)は9本ものシュートをブロックし、GKヤン・オブラクが脅かされる回数を制限した。

防戦一方となった終盤の30分間は、ディエゴ・ゴディンと3人のCBがチームを牽引した。フアンフランに代わって右SBに入ったリュカ・エルナンデスは大きな存在感を示し、レオナルド・ウジョアのシュートを見事にブロック。ステファン・サビッチもイングランドでのプレー経験を生かし、ハイボールの競り合いで輝きを放った。

ヒメネスの万能性
前半にはホセ・マリア・ヒメネスを守備的MFで起用するシメオネ監督の策が的中。空中戦の脅威に対応すべく、経験と闘争心を兼ね備えたDFがいたことは非常に大きかった。フィリペ・ルイスが負傷交代した終盤には、このウルグアイ代表DFが右SBヘ、エルナンデスが左SBへ回った。

「守備の再構成に時間がかかったが、そのあとは相手の猛攻にうまく対応できるようになった」とシメオネ監督は語る。「チームが守備を立て直し、難しい状況に対処し続けてくれたことを嬉しく思う。我々はこの勝負を勝ち抜くために必要なことをやり遂げた」

守備の指示を送るシメオネ監督
守備の指示を送るシメオネ監督©AFP/Getty Images

タイトル獲得可能な守備?
リーグ優勝のカギを握るのは守備だと言われる。確かにアトレティコが2013-14シーズンのリーガを制した際にも、粘り強い守備が大きな役割を担っていた。果たしてアトレティコの最終ラインは、UCLでもチームを悲願の初優勝に導くことができるのだろうか?

アトレティコはUCL決勝トーナメントにおいて、本拠地ビセンテ・カルデロンで9試合続けて失点していない。21日の組み合わせ抽選会でアトレティコを引き当てたチームにとっては、何とも気になる事実だろう。この日も圧力釜のようなレスター・シティー・スタジアムの雰囲気にのまれることはなく、むしろその重圧を楽しんでいるかのようだった。

「就任初日の私の願いは、アトレティコの競争力を高め、どんな相手でも苦しめられるチームにすることだけだった。なかなかやれていると思うよ」とシメオネ監督。ここ4年で3度目の準決勝進出は見事だが、きっとこれで終わりではないはずだ。