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1996年 サッカーが母国に戻った大会

1996年 サッカーが母国に戻った大会
アンリ・ドロネー杯を受け取ったドイツ代表の主将クリンスマン ©Getty Images

1996年 サッカーが母国に戻った大会

UEFA欧州選手権で過去最大の規模となった大会は、それにふさわしくサッカー発祥の地で開催された。この大会から、それまでの2倍の16カ国が出場。開催国のイングランドはサッカーの「母国への帰還」を祝ったが、最終的に栄冠に輝いたのは長年のライバル、ドイツだった。

大会そのものは、この上ない好環境で行われた。改装されたイングランドの各スタジアムには、熱狂的に盛り上がる観客が詰めかけ、完璧な雰囲気を作り上げた。一方で多くの地元ファンは、ポール・ガスコインやアラン・シアラーという、鍵を握る選手たちがピークを過ぎているという恐れを抱いていた。21カ月の間、代表チームでネットを揺らすことがなかったシアラーを我慢して使い続けたテリー・ベナブルズ監督は、本大会に入って間もなく、自らの選択の正しさを証明した。

グループステージ初戦のスイス戦では重苦しい展開で1-1のドローに終わったが、ブラックバーン・ローバーズFC所属のシアラーの先制点がその重さを和らげた。シアラーは続くスコットランド戦でも得点をマーク。この試合ではガスコインも、チーム2点目となる洒落たゴールを決めている。さらにグループステージ最終戦では、シアラーとテディ・シェリンガムがそれぞれ2得点を挙げ、オランダに4-1と快勝。対するオランダはパトリック・クライファートが一矢報いるゴールを放ち、これによりスコットランドを抑えて準々決勝進出を果たした。

イタリアと前回優勝国のデンマークはオランダほどの運に恵まれず、ゴールデンゴール方式が初めて導入され、興味深い激戦となった決勝トーナメントを迎えることなく、大会を去った。準々決勝では、今大会で一躍注目を集めたカレル・ポボルスキーの美しいチップキックが決まり、チェコがポルトガルを破ったが、それ以外では歓迎すべき要素はあまりなかった。マティアス・ザマーの決勝点でドイツがクロアチアを破った試合では、クロアチアの激しすぎるタックルが影を落とした。また、イングランドはスペインと、フランスはオランダとスコアレスに終わり、どちらもPK戦でようやく突破を果たした。

両国にとって、PK戦での決着はここで終わらなかった。レ・ブルー(フランスの愛称)は準決勝のチェコ戦でも、120分を戦いスコアレスのままPK戦に突入し、ここで敗れた。アントニン・パネンカのチップキックで欧州選手権優勝を決めてからちょうど20年後、チェコはついに再び決勝に進出。しかしここでチェコの前に立ちはだかったのは、またしてもドイツだった。もう1試合の準決勝では、開始わずか3分でシアラーがゴールを決め、イングランドの決勝進出の可能性をぐっと高めたかに見えたが、ドイツもシュテファン・クンツの得点ですぐに追いつく。ロスタイムにはガスコインがイングランドを勝利に導く決勝点を挙げるかに見えたが、これは惜しくもゴールならず、最終的に勝負はPK戦にもつれこんだ。PK戦を苦手とするイングランドは、今回もガレス・サウスゲイトがPKに失敗して決勝進出を逃した。

開催国の敗退にもかかわらず、ドイツにとって5回目となる欧州選手権決勝では、7万6000人を超える観客がウェンブリーに詰めかけた。1992年の前回大会の決勝では、デンマークにショッキングな敗戦を喫したドイツは、チェコのパトリック・ベルガーにPKを沈められ、またしても破れるかに見えた。しかしこれは、ドイツのベンチメンバーの質の高さを無視した考えだった。ベルティ・フォクツのパスからオリバー・ビアホフが同点ゴールを決めると、延長開始4分には、得点への嗅覚に優れたビアホフが勝ち越し点を挙げ、チェコを敗退に追い込んだ。2点目につながったビアホフのシュートは勢いこそなかったがペトル・コウバの守りをすり抜け、これが欧州選手権初のゴールデンゴールに。こうしてドイツが決勝に勝利するとともに、欧州王者となった。

最終更新日: 11年12月14日 17.35CET

http://jp.uefa.com/uefaeuro/season=1996/overview/index.html#1996+

1996

イングランド

ドイツドイツ

決勝 - 1996/6/30

チェコ1-2ドイツ
  • ドイツ ゴールデンゴール方式で勝利

豆知識

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歴史的瞬間

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大会ベストイレブン

 

最多得点者

5アラン・シアラーイングランド イングランド
3フリスト・ストイチコフブルガリア ブルガリア
3ブライアン・ラウドルップデンマーク デンマーク
3ユルゲン・クリンスマンドイツ ドイツ
3ダボル・シュケルクロアチア クロアチア
2オリバー・ビアホフドイツ ドイツ
2ピエルルイジ・カシラギイタリア イタリア
2テディー・シェリンガムイングランド イングランド
2マティアス・ザマードイツ ドイツ
1ウラジーミル・ベシャスニフロシア ロシア

出来事

欧州チャンピオンズカップ優勝:ユベントスFC(1-1、PK戦4-2でAFCアヤックスに勝利)

欧州最優秀選手:ロナウド(PSVアイントホーフェン、FCバルセロナ)

ユーロビジョン・ソング・コンテスト優勝:アイメア・クイン(アイルランド)の『ボイス』

欧州得点王(ゴールデンブーツ賞):ズビアド・エンデラゼ(FCマルグベチ・ゼスタフォニ)

ノーベル平和賞:ビショップ・カルロス・ベロ、ジョゼ・ラモス・ホルタ(東ティモールでの平和活動)

夏季五輪陸上男子100メートル金メダリスト:ドノバン・ベイリー(カナダ)、優勝記録9.84秒

F1年間総合優勝:デイモン・ヒル(英国)、ウィリアムズ所属

アカデミー作品賞映画:『イングリッシュ・ペイシェント』

主な出来事
1月8日: フランス歴代大統領の最長在任記録を持つフランソワ・ミッテランが79歳で死去。

7月5日: スコットランド・ミドロシアン州のロスリン研究所で、成体の体細胞から作られた世界初の哺乳類、クローン羊のドリーが誕生。

11月15日: 後に多数の続編が作られ、映画化されるほど人気を集めたトゥームレイダーのPC版、ソニー・プレイステーション用、セガサターン用ソフトが発売される。