ソウがフェネルバフチェで愛される理由

「彼はがむしゃらにプレーする」。ディック・アドフォカート監督にこう評され、ユナイテッド戦で驚異的なオーバーヘッドを決めたムサ・ソウ。フェネルバフチェのファンは、この30歳のストライカーを愛してやまない。

Moussa Sow (Fenerbahçe)
©AFP/Getty Images

調子に波があり、スランプがあり、ポジション争いもある。それでも、フェネルバフチェのファンはムサ・ソウにはいつも寛大だった。そのソウは、チームがマンチェスター・ユナイテッドを2-1で破ったUEFAヨーロッパリーグの試合で派手に恩返しをした。

3日に行われたグループAの試合で、ソウは開始わずか65秒後にアクロバティックなオーバーヘッドでユナイテッドのGKダビド・デ・ヘアを破った。早くも今シーズンのベストゴールに名乗りを挙げたが、ソウにとってはそれほど珍しい得点ではない。フェネルバフチェの宿敵であるガラタサライ、ベシクタシュとの試合でも同様のゴールを決めており、トルコでは「ソウは普通のゴールは決めない」とよく言われている。

ユナイテッド戦での先発は予想外のことだった。ロビン・ファン・ペルシは先発した最近3試合で3ゴール1アシスト。エマニュエル・エメニケもUELで好調だった。対照的に30歳のストライカーはドバイのアル・アハリから期限付きでフェネルバフチェに戻って以来、8試合に出場して1点しか決められていなかった。

Highlights: Fenerbahçe 2-1 Man. United
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ユナイテッド戦でソウに与えられた仕事についてUEFA.comがディック・アドフォカート監督に尋ねたところ、フェネルバフチェの指揮官は笑顔でシンプルに答えた。「ゴールを決めることさ」

監督は次のように続けた。「今夜そうだったように、彼はチームがいい結果を出せるよう、がむしゃらにプレーする。そうしてくれたことがチームのためになり、とても嬉しいよ」

レンヌやリールでプレーしたフランス生まれのFWがトルコにやって来たのは2011-12シーズン中で、1年目に14試合8ゴールと結果を残した。続く数シーズンではそれほど活躍できなかったものの、ディルク・カイト、アレックス、ピエール・ウェボ、ファン・ペルシ、エメニケらとポジションを争いながらもトップチームでの居場所を保った。

フェネルバフチェにとってのソウの重要性は、数字だけでは計り知れないものだ。忠実で情熱的なソウを愛するファンは、2014年3月のカイセリ・エルジエススポル戦でいくつものチャンスを逃したあと、彼が流した悔し涙を忘れていない。そして2015年夏の退団時に再び流した涙も忘れていなかった。フランス出身のセネガル代表はドバイでゴールを量産したが、ストライカーを必要としていたフェネルバフチェに今シーズン復帰。古巣の歓迎を受けている。

3日夜、ユナイテッドのジョゼ・モウリーニョ監督はこうコメントした。「フェネルバフチェは情熱的なゲームをした。そもそもサッカーは情熱的なものだがね」

特にトルコではそう言える。トルコ人サポーターは情熱的な選手を好む。試合が終わると、シュクリュ・サラチョールの観客はチームをスタンディングオベーションで改めて迎えた。だが、その名をチャントされた選手は1人だけだった:「ムサ、ムサ!」。これは決して不相応な扱いではない。ソウはユナイテッド戦で90分間がむしゃらにプレーしただけでなく、いささかも衰えない情熱をクラブに対して持ち続けているのだから。