
第1回ヨーロッパリーグ決勝は、ディエゴ・フォルランが延長後半終了4分前に決めたゴールが決勝点となり、クラブ・アトレティコ・マドリーがフラムFCを2-1で下し、48季ぶりの主要欧州カップ戦制覇を果たした。
試合は終始、ほぼ互角の展開が繰り広げられた。前半にフォルランとサイモン・デイビスが1点ずつ入れた後は、互いに一歩も引かず、試合は死闘の様相を呈した。それでも、周囲の選手の足がとまる中で、輝きを増していったのがフォルランだった。ウルグアイ代表ストライカーはPK戦突入が濃厚かと思われた延長後半、セルヒオ・アグエロのクロスに合わせてゴールネットを揺すった。
フラムにとっては、131年も待ち続けた悲願の大舞台だったが、緊張した様子はほとんどみられなかった。立ち上がりから自信に満ちたプレーを見せ、後ろから丁寧にパスをつないで、ゲームを組み立てる。しかし12分、そのパスを狙われ、ピンチを招いてしまう。アグエロがフラム陣内でダニー・マーフィーの緩いパスをインターセプト。パスを受けたフォルランが角度のないところからGKマーク・シュウォーツァーを破ったが、低いシュートはポストに当たって外れた。
ピンチを切り抜けたフラムは徐々にリズムをつかみ出し、前半半ばにはデイビスがロングシュートでアトレティコGKダビド・デ・ヘアを脅かす。対するアトレティコも、アグエロが積極的に左サイドから切れ込む姿が目立ったが、アルゼンチン代表ストライカーは先制点の場面では、やや不本意な形でゴールに絡んだ。右サイドでディクソン・エトゥフを突破したホセ・アントニオ・レジェスがパスを出し、これを受けたシモンが浮き球でアグエロに回す。アグエロはシュートに失敗するが、こぼれ球をフォルランがしっかりミートして、ゴールネットを揺らした。
しかし、今季、何度も逆転勝利を収めているフラムは、5分も経たないうちに同点に追いつく。ボビー・ザモラが左サイドでルイス・ペレアをかわして好機をつくる。ハンガリー代表ゾルタン・ゲラはこのチャンスを逸したかに思われたが、すぐに体勢を立て直すと、逆サイドにクロス。これを走り込んできたデイビスが押し込んだ。
フラムは前半残り時間のアトレティコのプレッシャーをしのぐと、後半には形勢を逆転させる。マーフィーの絶妙なパスからゲラがシュート、さらに、デイビスがシュートを狙うが、アトレティコはいずれもGKデ・ヘアの鋭い反応に助けられ、ピンチを逃れた。フラムは、試合前にけがで出場を危ぶまれたザモラが、クリント・デンプシーにチャンスを供給するが、得点には至らず。いい流れを生かすことはできなかった。
そして試合は延長に突入。延長はどんなチームにとってもつらいものだが、今季60試合以上も出場してきた両チームにとって、続く30分間は過酷な試練といえた。しかし、アトレティコのほぼ全試合に出場してきたフォルランは、疲れを感じさせないプレーを披露し、105分、果敢なドリブル突破からゴール前にクロスを挙げて決定機をお膳立て。このチャンスをエドゥアルド・サルビオも、アグエロも生かせなかった時、キケ・サンチェス・フローレス監督は、ゴール前にいたのがフォルランだったら、と思ったかもしれない。ところが、PK戦突入が濃厚と思われた延長後半終了4分前、その頼れるエースがゴール前で本領を発揮し、決勝点を挙げた。ACFフィオレンティーナを破ってクラブ史上初の欧州カップ戦トロフィーを手にしてから約50年、アトレティコが念願の通算2度目の栄冠に輝いた。
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